私が簿記を学習したのは高校生時代でした。

当時は簿記の「ぼ」の字も知らない状態で、なんでこんな勉強をしないといけないのかと
心底、苦痛に思いながら授業を受けていたことを思い出します。

しかし、その後、税理士事務所へ就職し、経営コンサルタント会社へ転職し、一般企業の経理事務にも携わり
今、思うことは「簿記を勉強していて本当によかった!」ということです。

具体的にどういう点でよかったかというと、数字を見たときに「ヒラメキ!」が起こるのです。

簿記という会計の基礎知識を学習した人と、学習していない人とでは、同じものを見たときにも「ヒラメキ!」が違うようです。

今の時代はとてもハイテクで、
財務分析は決算書を機械に通せば自動的に分析して、結果を丁寧に作り上げてくれる環境となりました。

しかし例えば、機械を通して出来上がった分析結果も自分の目で見たときに、簿記を学習して「ヒラメキ!」を持っている人は、「ん・・・なにかヘンだぞ!?」のその「なにか」に気づくことができるのではないかと思います。

当初、私は日商簿記の出題について
「今は会計ソフトが主流で、仕訳さえ入力すれば試算表も決算書も自動的に出来上がる時代なのに
どうして試験ではこんな古い手書き帳簿などを問題にするんだろう」と思っていました。

しかし、この日商簿記の問題の中には会計ソフトで処理していただけでは分からない会計の基礎的な流れがビッシリ詰まっているのです。

そして、その知識を習得することで、日常の中でもその知識が「ヒラメキ!」となり、問題解決に役に立つのだと思います。

簿記の知識を習得することは、
財務分析一つを行うにしても、機械を通してデジタル的に処理したのでは明確にならなかった「ん・・・何かヘンだぞ」を
基礎を知るからこそ生まれる感覚「ヒラメキ!」で数字を見抜けるような質の高い人材づくりに
役立てていただくことができるのではないでしょうか。

『たかが簿記、されど簿記』(^^)